暖簾Noren
かつて銀座街を彩った「暖簾」をモチーフとした外装デザイン。暖簾の持つ日本的な優美さと軽やかな揺らめきを、ステンレスルーバーという工業的素材で再構築した。光の反射による繊細な陰影が、しなやかなリズムを生み出し、銀座らしい優美さと象徴性を併せ持つ外観を形作っている。角度や大きさがすべて異なるステンレスルーバーは、季節・時間・天候ごとに全く違った表情を見せる。銀座の街が持つ「常に更新され続ける風景」に呼応する建築を目指した。
CONCEPT
銀座五丁目。
長い時を重ねてきたこの街には、
受け継がれてきた美意識と、
常に新しさを求める感性が存在します。
かつてこの地に根づいていた
伝統的な意匠や文化のエッセンスを、
外観や内装の随所に継承。
江戸から続く銀座の記憶を、
現代の感性で再構築しました。
銀座を訪れる人、働く人、集う人。
それぞれの時間が重なり合い、
この街が培ってきた歴史と、
多様な感性や体験が交差していく。
「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」、
「伝統」と「革新」。
相反する価値が響き合うこの場所から、
新しい銀座の景色がはじまります。
ARCHITECTURE
かつて銀座街を彩った「暖簾」をモチーフとした外装デザイン。暖簾の持つ日本的な優美さと軽やかな揺らめきを、ステンレスルーバーという工業的素材で再構築した。光の反射による繊細な陰影が、しなやかなリズムを生み出し、銀座らしい優美さと象徴性を併せ持つ外観を形作っている。角度や大きさがすべて異なるステンレスルーバーは、季節・時間・天候ごとに全く違った表情を見せる。銀座の街が持つ「常に更新され続ける風景」に呼応する建築を目指した。
日本家屋の象徴的な要素である「門」が、この建築の入口を形作る。外界と内界を隔てる強固な佇まいと、小さな素材の積層による繊細な構成という門が持つ二面性を、エントランスで表現している。来訪者は立体的な門の層をくぐり、藍色のホールに引き込まれていく。
銀座の街の移動手段として風景に描かれた「駕籠」。建物内の移動手段であるELVにて現代の駕籠を表現し、単なる移動手段ではなく、来訪者の期待感を高める演出装置として機能させることを狙った。照明はガス灯や行燈のような仄暗い灯りの心地よさを表現した。
人と街をゆるやかにつなぐ暖簾。空間に凛とした境界線を生む門。駕籠に着想を得たしつらえ。この場所には、江戸の文化や営みから受け継いだ意匠が、現代的な感性によって再解釈しました。
さらに、文明開化の面影を残すガス灯や煉瓦文化を想起させるフランス積み、
かつて入江だった銀座の地形の記憶もデザインへと昇華。
伝統と先進。街の記憶と未来。
異なる時代や文化が折り重なることで、この場所ならではの景色が生まれました。
銀座という街が歩んできた時間そのものを、空間として体験する。
それは、過去をなぞるのではなく、新しい銀座をかたちづくるデザインです。
MEMORY
時代ごとに姿を変えながら、
街の賑わいを見守り、人々の営みとともに、
静かに時を重ねてきた清和銀座ビル。
変わりゆく銀座の中で、
変わらずここに在り続けること。
その積み重ねが、この場所ならではの風景を
つくってきました。
これまでも、これからも。
受け継がれてきた記憶とともに、
銀座の一部として時代とともに
歩み続けます。
Before
1964年(昭和39年)11月竣工
After
TENANTS